前編,『[航空宇宙業界] Swagelokを施工する初心者に読んで欲しい5つのこと①【仕組み編】』ではSwagelokが採用しているダブルフェルール方式の仕組みとその強みをご紹介しました.

本稿では施工のうち,実際にどのように切断していくかなど,説明をします.

配管施行の仕方①:配管を切る


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 赤丸で示したように配管を切る場所に印をつけます.

建築現場でよく使われる方法ですが,印はわざと跳ねさせています.

mm単位で配管長を合わせたい,できるだけズレを出したくないという場合には,この工夫は意外と有効です.

 多くの方は,切断位置の目印として縦線を引き,マッキーなどで塗りつぶすことが多いと思います.しかしながらこの方法だとどうしても線が太くなりがちで,「実際にどこを切るべきか」が曖昧になってしまいます.

 そこで,あえて印を“跳ねさせる”ように付けることで,その起点一点に合わせればよくなり,結果として誤差を抑えることができます.

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 印をつけたら実際に一般的なパイプカッターを使用していきます.

画像で言う右側の金色の持ち手部分を回して,刃が配管に当たるまで回していきます.

 その後動画のように,持ち手(金色の部分)を1/16回転させて少し刃を食い込ませてから,カッター自体を配管に対して2周させます.

これを配管が切れるまでずっと繰り返します.

 以上がswagelokが公式で解説している配管の切断方法です.

([https://www.swagelok.com/downloads/webcatalogs/jp/sr-pc-tc.pdf)](https://www.swagelok.com/downloads/webcatalogs/jp/sr-pc-tc.pdf%EF%BC%89)

 推奨されている回転数以上で配管に刃を食い込ませると,バリが広がったり,カッターの刃に想定以上の負荷がかかってしまうため,必要以上の力は加えないようにしてください.

配管施行の仕方②:バリを取る


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 左の画像が肉厚 1.6mm の綺麗なバリなしの端面,右の画像が配管が切断された直後のバリがある断面です.

その次の画像は本来の肉厚に対して配管が内側に入り込み,バリが出ているのがわかると思います.

 この状態のまま運用すると予期しない事故につながる可能性があります.

主にバリが存在することで生じる問題は,大きく2つに分けて考えることができます.

 1つはバリが残っていることで端面が飛び出てしまっているせいで配管が正しい位置まで挿入されず,適切な位置においてフェルールがカシメられないという問題です.

swagelok系の継手はナットの回転数で締結トルクを管理しているので,バリによって奥まで配管が挿さっていないとその分だけ,本来有効であるべき回転数が無駄になってしまいます.

その結果,フェルールの食い込みが不十分となり,シール不良や保持力低下の原因となります.

また施工時にバリがねじ山に噛んでしまうという可能性もあります.

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 もう1つは管内を流れる流体にとって,バリは局所的な乱れや失速点の起点となってしまうということです.

配管内を流れる流体の流量を確保したい時や,圧力損失に対してアプローチする際にはクリティカルなポイントとなります.

 さらには流体に混ざってバリが配管内を通る可能性もあります.これは流体の純度を下げるだけでなく,ライン上にあるレギュレータやバルブ,センサに悪影響を及ぼします.

 ここまで述べた内容を整理します.

【バリが引き起こす主な問題】

分類発生メカニズム具体的な影響結果
施工不良バリにより配管が奥まで挿入されないナット回転数が有効に使われないフェルールの食い込み不足
施工不良バリがねじ山に噛み込むねじ山の損傷継手の破損・再使用不可
流体影響バリが流路内に突出流れの乱れ・局所損失の発生圧力損失増加・流量低下
異物混入バリが剥離し流体に混入下流機器への侵入バルブ・レギュレータ・センサの不具合

 「たかがちょっとのバリで...」と現場では手を抜いてしまいがちですが,実際には

施工品質・流体性能・機器信頼性

これらすべてに影響を及ぼします.

 故にバリ取りは単なる仕上げ作業ではなく,配管システム全体の性能を成立させるために必要不可欠な作業です.

 これらを鑑みて,次にバリ取り方法のひとつをご紹介します.

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 特に指定はありませんが,バリ取りをしたい端面が下にくるように固定すると,削った金属粉が配管内に流入しづらく,下に落ちてくれます.

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使用ツール:[https://products.swagelok.com/ja/c/チューブ・バリ取り用ツール/p/MS-TDT-24](https://products.swagelok.com/ja/c/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%AA%E5%8F%96%E3%82%8A%E7%94%A8%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB/p/MS-TDT-24)

 次に画像のようにバリ取りの刃面をバリに対して強く押し付け,ゴリゴリと回しながらバリをとっていきます.

 このツールだけでは端面の処理が難しい人もいるので,下の画像のようなツールと使い分けることをお勧めします.

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使用ツール:[https://noga.co.jp/about/](https://noga.co.jp/about/) 製品

 なお近年,自動のバリ取りツールなども市場に出てきています.無理に手動ツールにこだわることなく既製品の使用やドリルの刃などを用いて柔軟に施工方法を考えることなどをおすすめします.

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 十分にバリが取れたら,次に配管の洗浄を行います.

 この工程は単なる仕上げではなく,配管内の清浄度を確保するための重要な工程となります.バリ取り後には目に見えない微細な金属片や,加工時に付着した油分などが内部に残っている可能性があります.

 洗浄には基本的にエタノールやIPAなど,油脂やバリ,施工中に配管内に混入した異物を洗い流すことができ,かつ使用環境において揮発する溶媒を使用してください.

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 また洗浄後は,エアブロー等により内部を十分に乾燥させ,溶媒が残留しないようにすることが重要です.特に流体の種類によっては残留液が思わぬトラブルを引き起こす可能性があるため,作業漏れなどがないよう慎重に行なってください.

 なお使用する流体や用途によっては,求められる清浄度が異なるため,必要に応じてより厳密な洗浄・脱脂工程を検討する必要があります.

特に酸素環境では微量な有機物であっても発火の要因となる可能性があるため,使用条件や清浄度については適用規格・手順に従ってください.

 次の記事では配管をカシメる工程を解説していきます.


「Swagelokを施工する初心者に読んで欲しい5つのこと」シリーズでは公式見解に基づいた一般的な情報発信を意識しておりますが,現場環境によって文化が違うことで,”うちではこうしてる”といった独自の運用や,”このようなリスクも考えられる”といった知見が存在すると思います.

 そのような内容がある場合には是非コメントにお記しくだされば幸いです.多様な視点や議論が交わされ,それらが積み重なる事で技術記事としての価値はより高まっていくものだと考えております.

 初心者からベテランまで読みやすい体裁の記事で議論がなされることは,結果として多くの眼に触れることで業界全体の底上げにもつながると信じております.