前回以前より,【仕組み編】【特徴編】【切断編】【バリ取り編】を記事として扱ってきました.
今回はこのシリーズ最後の【カシメ編】をお届けします.
配管施行の仕方③:フェルールをカシメる

前回は配管を切断して,その後に端面と内側のバリをとって写真のように綺麗にしましたね.今回は写真右側の継手をいよいよ付けていきます.

上の写真のように左から”袋ナット”,”バックフェルール”,”フロントフェルール”を配管に入れてください.
ご留意いただきたいのはバックフェルールの向きについてです.これが反対になってしまうと,ナットを回していった時にフロントフェルールの後ろがバックフェルールによって固定されません.
※今回は継手のオス側を万力に挟んでいますが,通常の施工であれば配管ラインに直付けすると思います.分かりやすくした一例としてご理解ください.
継手類を配管に入れたら,この動画のようにカシメられたい配管をオスの継手に対して”しっかり”挿し込み,ナットを手締めで行けるところまで”しっかり”回してください.
その後,再度配管がオス側継手に対して”しっかり”と挿さっているか,確認してください
ここが最も施工精度を高くする工程になります.
また,やりがちな施工不良要素として次のことが挙げられます.

配管の挿し込みが甘ければ,ナット締結初期においてチューブは軸方向に微小に押し込まれ,隙間が吸収される方向に力は分散してしまいます.
その状態でカシメる過程において,フェルールの塑性変形は開始が遅れ,結果として有効な変形量が不足する可能性があります.
このことを念頭に置きながら抜け漏れが無いよう(物理)施工を行なってください.

手締めで行けるところまで回したら,次は両側の継手に基準となる印を付けます.
その印を起点にナットを1と1/4回転させてください.

必要に応じて,公式から出しているギャップ検査ゲージ(https://products.swagelok.com/ja/すべての製品/継手/チューブ継手%EF%BC%8Fアダプター継手/スペアー・パーツ%EF%BC%8Fアクセサリー/ギャップ検査ゲージ/p/fitting-0111?q=gap%20inspection)
も使用して,締結が正常かもご確認ください.
あっさりとした締めになりますが,これにて配管の施工は完了となります.
まとめ
このシリーズではSwagelokを例にしながら,初心者向けに施工方法を紹介しました.
一見すると,回転数を守って締めるだけのシンプルな作業に見えるかもしれませんが,実際にはチューブの差し込み状態やバリの有無など,いくつもの要素が重なって初めてその性能が成立しています.
ダブルフェルール方式は,”締めれば勝手にシールされる”ものではなく,構造を理解した上で正しく施工して初めて機能する接続方式です.
だからこそ,本シリーズで取り上げたような些細に見えるポイントが,実験結果やシステムの性能を左右する重大な因子になりうるのです.
今回の記事が,単なる作業手順の理解にとどまらず,「なぜそうなるのか」を考えるきっかけとなり,皆さん自身の現場での判断に少しでも役立てば幸いです.