みなさまこんばんは.
また見にきていただきありがとうございます.
今回は ”テーパネジにシールテープが不可欠な理由” として,至極どの現場でも使用されている当たり前な光景を観察すると見えてきたことがあったのでログとして残そうと思いました.
テーパネジとは
テーパネジは、管用ねじのうち外径・谷径が軸方向にテーパ(通常 1/16)を持つねじを指します.
JIS B 0203 の PT(R/Rc)やISO 7,米系で云えば NPT/NPTF などが代表になりますが,いずれも「ねじ面のくさび嵌合」で一次シールを狙う点が平行ねじ(平行管用ねじ・ユニファイ等)と本質的に異なるシール・締結方式です.
何言っているのかわからなければ画像より,なんとなくご理解ください.

サムネにもありました通り,この画像はswagelok継手部品のうち,swagelokからテーパーへと変換する継手です.
左側がテーパー,右側がswagelokですが,こちらのテーパーは先でも述べている通り,規格化がなされています.

画像にもあるとおり,このテーパー形状になっているネジ部の干渉で世の大なり小なりの配管は,シールを保つことができるわけです.

しかしながら本当に金属同士の接触のみでシールは担保されるのでしょうか.
残念ながら,テーパーネジ単体だとシールはほとんど機能しないのです.
この理由には次のことが挙げられます.
メーカーごとに寸法公差が絶妙に異なる
金属同士ネジ山で密な接触が生じる
そこで,シールテープが登場します.
シールテープ

私自身,いつもとてもお世話になっているTRUSCOさんのシールテープの登場です.
材質はJISでも規定されているPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)というフッ素樹脂で,金属にはくっつかず,テープ同士はくっついて薄く伸びるという特性を持っています.
これがあることで,メーカー毎に異なる寸法公差を吸収しかつ締め込みトルクを安定させ,今日,現場で広くテーパーネジは使用されているのです.
まとめ
航空宇宙でも油圧・空圧・燃料系の継手に広く使われることと思いますが,規格上は金属同士の干渉で気密を保証する設計ではないということです.
これにはねじ精度・嵌合長さ・表面状態のばらつきを前提に,シールテープやシール剤による二次シールを併用することが通例です.
PT は業界横断で通用する呼称・感覚であるが,「締めたから漏れない」ではなく「規格が想定するシール手段を足す」ということを忘れない.
参考・コラム
・https://kikakurui.com/b0/B0203-1999-01.html
PTFEの特性
・降伏応力が低い
⇨面圧がかかると塑性的に流動が起きやすく,逆にそれが公差・粗さ・噛み合い長さのばらつきを吸収する方向に流れてくれる.
・自己潤滑性
⇨締め込め時にネジ部同士の焼きつきやかじりを抑えてくれる特性.LE-7エンジンのターボポンプ軸受保持器にもこの特性が使われていたそうな.(吉田誠,LE-7 液体酸素ターボポンプの軸振動に関する研究 より)
・不活性
⇨無極性・耐薬品性・難燃性 等
・広い使用温度域
⇨-100℃~+260℃の広い温度範囲にわたって長時間の使用に耐える.一時的に分解温度に達してもすぐに炭化などは始まらない.
・吸水性
⇨ほぼなし
軸受の保持器に用いられていたPTFE系の材料は環境問題などあって今は生産できないそうな...